[戦う事と闘う事]
「タタカウ」かたかなで書くと4文字になる。
ひらかなで書いても4文字だ。
辞書を引くと「戦う」という漢字と「闘う」という漢字の2種類があった。
「戦う」という文字の方は【一般的】戦争/競技/争う・争い/選挙で戦う
横綱と互角に戦う/ とある。
一方「闘う」方は【限定的】対立する2者が闘う/障害、困難と闘う/
労使が闘う/ 自然と闘う/ とある。
どうも「戦う」方は相対的な意味合いが強そうだ。
ルールを決めておかないと大変な事になりそうだ。
一方、「闘う」方は人間の心づもりやルールに関係ない事と
タタカウ時に使うようだ。
絶対的な対立に用いる漢字のようだ。
障害や困難は予告なしにやって来るし、過酷な自然も不可抗力なものが多い。
労使が賃金や労働条件を巡って闘うのも絶対的対立という。
「闘う」時には好むと好まざるとにかかわらず強い意志がなければ
取り返しがつかない事になりそうだ。
戦争も強い意志がなければならないが脱走という最後の手段で逃げる事ができる。
最終的に回避できる手段のあるタタカイが戦いなのだ。
しかし障害や困難、自然からは逃げられない。
労使闘争から逃げたらたちまち生活に困る事になる。
私は自分自身に厳しい意味を含む「闘う」という漢字の方が好きだ。
私は小さい頃からいじめられっ子だった。
祖母はいつもこう言った。
「いじめる人は何かこころに悲しい事がある。
幸せそうに見えるお前に当たっているだけだから。
それよりいじめられてショゲテいたら自分に負けるだけ。
他人とタタカウ事はない。
自分とタタカエバそれで良い。
他人に勝つ必要などない。
自分に勝てばそれで良い」
私は祖母の言葉を私なりに置き換えてみた。
「他人の心と戦争する事はない。 自分の弱さと闘うだけで良い」
祖母はきっとこう言いたかったのだろう。
婆ちゃん、私も婆ちゃんの歳に近くなってやっとわかったよ。
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